【医師監修】肝硬変から起こる「肝性糖尿病」とは?

血糖コントロールにおける肝臓の働き

食事をとると、食物に含まれていた糖質は消化され、ブドウ糖(グルコース)の形に分解されて腸管から体内に吸収されます。ここで吸収されたブドウ糖が最初に流れ込むところが肝臓です。肝臓でブドウ糖の大半(60~80%)はグリコーゲンの形に合成され、肝臓の中に貯えられます。残ったブドウ糖が血中へと流れ出し、インスリンの働きによって細胞や筋肉に吸収されます。

では、肝臓に貯えられたグリコーゲンはどうなるのでしょうか?空腹時に血糖値が低下してくると、グリコーゲンは再びブドウ糖へと分解され、血中に放出されて血糖値を一定に保ちます。このように、肝臓は血糖値の重要な舵取りをしているといえます。

「肝性糖尿病」とは?

肝性糖尿病は「肝硬変」が原因となって生じます。肝硬変が生じると活動できる肝細胞の数が少なくなり、グリコーゲンの合成や分解が妨げられて血糖値の調整に支障が生じます。このように、インスリンではなく、肝臓が担ってきた血糖調整機能が停滞することによって血糖値が上がってしまうことから生じる糖尿病を特に「肝性糖尿病」と呼ぶことがあります。

肝性糖尿病の場合、インスリン抵抗性は生じるものの、阻害されているのは肝臓の働きであるため、しばらくの間インスリンの分泌自体は保たれるという特徴があります。この点、2型糖尿病との判別に慎重さが要求されます。ひとつの基準として、肝臓の病変が進む以前から糖代謝に問題が表れているかどうかがポイントとされます。もっとも、インスリンが十分働かず、過剰な分泌を強いられた膵臓はやがて消耗し、インスリン分泌自体が低下していくことになります。

アルコールと肝硬変

「肝硬変」は、慢性肝炎が進行して肝細胞が硬い線維に置き換わり、肝臓そのものが小さくなってしまう病変です。再生結節と呼ばれる結節もたくさんでき、やがて肝臓がんを発症します。ちなみに、急性の肝炎を発症してから6カ月以上にわたって機能の異常とウイルス保持状態が続くと「慢性肝炎」と診断されます。この時期を過ぎると肝臓をもとの状態に戻すことが難しくなります。

肝硬変を引き起こす肝炎は、ウイルスやアルコールなど様々な要因から生じます。特にアルコールの飲みすぎによる肝炎は日常生活から起こりやすく、脂肪肝→アルコール性肝炎→肝硬変というプロセスを着実にたどることになるため要注意です。お酒の飲みすぎによる初期の脂肪肝は断酒によって改善が見込まれますが、アルコール性肝炎を発症する段階に至ると、すでに患者さん本人もアルコール依存症におちいっていることが多く、お酒を飲まないということが非常に難しくなります。自覚症状が出る前に、節度を保ったお酒のたしなみを身につけておきましょう。

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