失明を防ぐために理解しておきたい糖尿病網膜症の症状と治療方法

    糖尿病の代表的な合併症のひとつに網膜症があります。
    糖尿病が原因で眼の網膜が侵され、視力が低下する病気です。
    網膜症の初期は自覚症状が無いため、知らず知らずの間に進行し、ついには失明してしまうこともあります。

    ではどうすれば失明を防ぐことができるのか、ここでは糖尿病網膜症の症状と、治療方法について解説します。

    自覚症状がないままに網膜症を発症している危険性

    糖尿病により慢性的に血糖値が高い状態にあると、血管に負担がかかりもろくなったり、出血や詰まりを起こしてしまいます。
    そういった血糖値による血管への障害は、細い血管であればあるほど起こりやすくなります。

    網膜とは眼の底の部分に存在し、眼の中に入ってきた光の刺激を受け取り、それを脳に伝達する重要な役割を担っています。
    この網膜にもたくさんの細い血管があり、血糖値が高いことが原因で網膜に通っている細い血管がもろくなって出血したり、詰まったりしてしまいます。
    すると、詰まってしまった血管の血流を補うため新しい血管が作られる(新生血管)のですが、その新生血管はさらにもろく、簡単に出血してしまいます。
    こういった血管の詰まりや出血が、視力の低下や失明を引き起こしてしまうのです。

    網膜症が怖いのは、自覚症状がないままに進行してしまうことです。
    目のかすみや視力低下といった症状が現れるころにはすでに進行してしまっていることが多く、日常生活に支障が出るほどの視力障害や失明を起こしてしまうことも多いのです。

    定期的な眼科検診で網膜症の早期発見と早期治療が失明を防ぐ

    日本眼科医会の報道資料(平成17年)によると、「網膜症は糖尿病の発症から15年で約40%の人に発症」「網膜症が原因で年間3000人が失明」とされています。
    糖尿病にかかっている期間が長ければ長いほど、網膜症にかかるリスクも高く、また、網膜症は失明の主な原因のひとつになっています。

    しかしながら網膜症を発症すると必ず失明するというわけではなく、初期の段階では血糖値を適切にコントロールすることで改善できます。
    また、レーザー光凝固術や硝子体手術などといった治療法があります。

    レーザー光凝固術

    血流が止まっている網膜に対してレーザーを照射し新生血管の発生を予防する治療です。
    視力の回復は難しいですが、網膜症の進行を予防することができます。
    所要時間は20分程度で、目薬による部分麻酔で行うので外来通院での治療ができます。

    硝子体手術

    眼の中にある硝子体という組織に対して行われる治療です。
    眼の中に入ってきた光の刺激は硝子体を通り網膜に届くので、硝子体が出血して濁ってしまうと、光の刺激が網膜に届かず視力低下をもたらしてしまいます。

    この手術では、硝子体の出血部分を除去して人工の液体を入れることで、視力の回復が期待できます。
    また、眼底から網膜が剥がれてしまった場合(網膜剥離)にも、硝子体手術により剥がれた網膜を元の位置に戻して視力を回復することができます。

    しかし、進行した網膜症では治療で得られる効果は少なくなってしまいます。
    自覚症状が出現して発見された場合は、すでに進行していて治療しても効果が得られず失明してしまうことも珍しくありません。

    そこで大事なことは、定期的に眼科を受診することで、網膜症の早期発見と早期治療を行うことにあります。
    糖尿病にかかったら網膜症を起こしてしまうことを前提に、定期的に眼科で検診を受けましょう。

    検診の頻度の目安は、糖尿病と診断されたら1年に1回、網膜症を発症していると診断されたらその進行具合によって2週間ごとや1か月ごと、半年ごとなどさまざまです。
    合併症の有無などによっても必要な受診頻度は変わってくるので、必ず医師の指示のもと決められた頻度で病院に通いましょう。

    網膜症の若年層の発症が増加。重症化もしやすい

    糖尿病は生活習慣病のひとつであり、40代以降に発症することが多い病気です。
    しかし、食事の欧米化などにより若年層での糖尿病発症も増加しています。

    日本眼科医会報道資料(平成17年)によると、若年層での糖尿病発症率は20年間で約3倍にも増えています。
    また、若年層で糖尿病を発症すると網膜症が重症化しやすいことも明らかになっています。

    20~30代でも網膜症で失明する可能性は十分にあるので、糖尿病と診断されたら自覚症状がなくても眼科の診察を受けましょう。
    また、糖尿病自体も初期では自覚症状がない場合が多いので、定期的に健康診断を受けることをおすすめします。

    網膜症を発症する可能性を十分理解して、定期的な眼科検診を行うことで網膜症の進行を予防しましょう
    これまでに説明してきた通り、網膜症は初期の段階では自覚症状がないので、気が付かない間に発症しているということもあります。

    自覚症状が出てからでは治療できることが限られてしまい、治療効果が得られない場合もあります。
    自覚症状がないからといって、眼科検診を中断したり自己判断で時期を変えたりせずに、必ず医師の指示のもと決められた期間を守り受診しましょう。

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