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糖尿病治療の疑問に答える!糖尿病のキホンQ&A!

厚生労働省による平成23年の国民健康・栄養調査と平成19年の糖尿病実態調査では、糖尿病が強く疑われる人や可能性を否定できない「糖尿病予備群」が合わせて27.1%と推計され、国民の4人に1人以上が糖尿病かその予備群であると明らかになりました。内閣府の統計調査の基準年である1955年当時の糖尿病患者数を1として糖尿病予備群も含めると2002年の時点で31.5倍、2007年の時点で、なんと35倍(※)にまで増加したのです。

しかも、40代以降になると3人に1人は糖尿病予備群と言われる時代です。
そんな身近な存在となった糖尿病とうまくつき合っていくために、今回は、糖尿病治療の疑問にお答えしていきましょう。

※神戸新聞「シリーズ23 2型糖尿病」2012/09/01より
http://www.kobe-np.co.jp/rentoku/hyogo_iryou/201209/0005404598.shtml

糖尿病のキホン1

図1 日本人の糖尿病の増加について
(出典;J-DOIT3「糖尿病とは」よりhttp://www.jdoit3.jp/diabetes_a2.html)

Q1 糖尿病ってどんな病気?血糖値が上がる理由は?

そもそも血糖値とは血液中のブドウ糖濃度のことです。
食事をすると、食事に含まれる糖質がブドウ糖に分解されます。通常、この分解されたブドウ糖はインスリンというホルモンとともに肝臓に取り込まれ、グリコーゲンとして蓄えられます。また、インスリンによって筋肉や脂肪細胞にブドウ糖は取り込まれ、速やかに血糖値は食事前の値に下げられます。

しかし、遺伝要因や環境要因によってインスリンを作ることができない場合、インスリンがうまく働かない場合、インスリン分泌に問題がある場合などでは、肝臓や筋肉などへの糖取り込みが高まらず血液中にブドウ糖が溜まってしまうために血糖値が上がります。その状態が長く続くことで糖尿病を発症してしまうのです。

糖尿病のキホン

図2 糖尿病発症に関わるインスリン (武田薬品工業株式会社ホームページより引用)

糖尿病には、大きく2種類あります。
1型糖尿病は、子供の頃に発症することが多く、インスリンを作る膵臓のβ細胞が破壊されてしまうことでインスリンが分泌できなくなります。
2型糖尿病は、遺伝要因と環境要因(高カロリー食、高脂肪食、運動不足など)が原因で膵臓の働きが弱くなり、インスリンの分泌が低下したり、インスリンの働きが悪くなることで起こります。多いのはこの2型糖尿病です。

Q2 どんな検査があるの?

日本糖尿病学会によるガイドラインでは糖尿病の診断基準が定められています。
それに基づき、糖尿病の方や糖尿病の疑いのある方は、定期的に検査をする必要があります。一体どんな検査をするのでしょうか。

・尿糖検査
尿検査で尿に糖が出ているかを調べる簡易検査

・ 空腹時血糖値
前日夜から10時間以上絶食した朝に採血した血糖値を調べる検査

・ 経口ブドウ糖負荷試験
食後の血糖を測定するためにブドウ糖を飲んで、30分後、1時間後、2時間後などに採血をして血糖値の推移を見る検査

・ HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)
血液検査で総ヘモグロビン量に対するHbA1cの割合を見ることで最近1〜2ヶ月間の血糖値の状態がわかる検査

そのほかにも、体重、血圧、脂質、また糖尿病の合併症を調べるために眼の検査や腎機能の検査もする場合があります。

Q3 どんな治療法があるの?

糖尿病と診断されたら、1型糖尿病の場合はインスリンを補充する「インスリン療法」を行います。食事療法や運動療法は、肥満や生活習慣病の予防のために補助的に行います。

2型糖尿病の場合は、生活習慣改善のための食事療法と運動療法が基本です。症状の進行状況に応じて食事療法や運動療法に加えて内服薬を使う場合や、重症の場合ですとインスリン療法も併用します。

Q4 糖尿病の薬ってどんなものがあるの?

1型糖尿病の方は、自分の体内でインスリンが作れませんので、インスリン療法といって、インスリン注射が必要になります。

2型糖尿病の方は、食事療法と運動療法が基本ですが、それだけではうまく血糖値が下がらない、というときに、薬物療法が開始されます。患者さんの状況に応じて主に経口血糖降下薬と呼ばれる飲み薬で治療します。血糖降下薬のいくつかを組み合わせる場合や、インスリン注射と血糖降下薬を組み合わせて治療する場合もあります。

経口血糖降下薬の種類

図2 経口血糖降下薬の種類(日本糖尿病学会HPより引用抜粋)

Q5 低血糖ってどんな状態?

糖尿病の方は低血糖に注意しなければならない、と良くいわれますが、低血糖とはどういう状態なのでしょうか。
低血糖とは、血中のブドウ糖濃度が低くなった状態のことです。具体的には70mg/dl以下になると、空腹感や吐き気が出て来ます。50mg/dl以下になると倦怠感、手足の震え、冷や汗、動悸が出て来て、30mg/dl以下になると昏睡の状態に陥ってしまうことがあります。

糖尿病の方が低血糖になる原因は、以下の3つが考えられます。

1:食事量が普段よりも少なすぎた場合や食事を抜いた場合(薬が効きすぎる)
2:激しい運動をした(運動量が多いと低血糖を起こしやすい)
3:薬を間違えて多く飲んだ

低血糖では昏睡状態から死に至るケースもあります。糖尿病の治療においては、低血糖に十分注意する必要があります。食事を規則正しくとり、薬は指示されたとおりに飲むようにしましょう。また、普段よりも運動量が大きく増える場合には、事前に医師に相談するといいでしょう。

Q6 糖尿病は治療費が高いってホント?

製薬会社の糖尿病患者さんへのインターネット調査の結果によると、糖尿病治療を受けている患者さんの治療に対する不満の第1位に治療費が高いことが挙げられています。

治療費負担に関する調査

図4 糖尿病患者さんの治療費負担に関する調査より
(日本イーライリリー株式会社プレスリリース2012年11月28日より引用)

実際、糖尿病になるとどのくらいの治療費がかかるのでしょうか。
症状の進行具合や合併症の有無などによって患者さん一人一人の治療費はもちろん異なりますが、3つのケースで比較してみましょう。

ケース1 軽症の場合
投薬なし(検査と食事療法と運動療法のみ)
3割負担でおよそ月額3000円

ケース2 症状が中程度場合
経口血糖降下薬の内服のみ
3割負担でおよそ月額6450円

ケース3 症状が重い場合
インスリン療法(注射)と経口血糖降下薬内服の併用
3割負担でおよそ月額1万8000円

このように、糖尿病と一口にいっても患者さんの状態でかなり治療費が変わって来ますから早期発見、早期治療が大切だということですね。そして食事療法と運動療法のみで血糖コントロールできる状態にもっていければ負担が少なくなります。
逆に、糖尿病の合併症(腎症、網膜症、神経障害)や高血圧、高脂血症があれば、治療費の負担はこれ以上に大きくなってしまいます。

■ まとめ

今回は、はじめて糖尿病と診断された方や、今までわかりづらかった糖尿病に関するいろいろな疑問について、質問形式で基本的な事柄をご紹介しました。

糖尿病治療は、やはり治療費がかかるという印象が強いですよね。
しかし、治療を続けることで病状が改善すれば、飲む薬を減らせるので、治療費を抑えることが可能となります。

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