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糖尿病患者さんは認知症になりやすい?発症メカニズムと予防法を解説

「糖尿病患者さんは認知症を発症しやすい」という話を聞いたことがありませんか?

年々増え続ける認知症の患者さんですが、糖尿病と無関係とは言い切れないデータが出ています。

今回は糖尿病と認知症の関係、そして認知症予防として注目されているデュアルタスク(二重課題)についてご紹介します。

糖尿病患者さんは認知症になりやすいってホント?

厚生労働省が行った全国調査によると、平成24年10月における65歳以上の高齢者の認知症有病者数は462万人と推定されており、平成22年と比較すると22万人増加していました。
また、将来的にも高齢者の認知症は増加すると予測されており、平成37年には470万人に達する見込みとなっています。

認知症は、高齢者によく見られる病気であると思われていますが、高齢者だけがかかりやすい病気というわけではありません。

東京都健康長寿医療センターの井藤英喜理事長らの調査によれば、国内外の19論文を調べた結果、糖尿病患者さんは、脳血管性認知症で2~3倍、アルツハイマー病で約1.5~2倍、それぞれ発生頻度が高いことがわかりました。

糖尿病から認知症になるメカニズムについては、まだ解明されていない部分もあります。

しかし、脳血管性の認知症については、糖尿病で高血糖状態が続くことで、脳の血管で動脈硬化が進み、脳細胞に十分な血液が行き渡らなくなることで、脳の機能が部分的に失われるのではないかと考えられています。

また、アルツハイマー型の認知症については根本原因が解明されていませんが、2014年に東京大学の飯野教授らの研究により血糖値を下げるホルモンであるインスリンが記憶や学習の仕組みに関わっていることを突き止めました。
この結果からインスリンの適切なコントロールが難しくなる糖尿病がもととなり、認知症発症につながることがあるのではないかと考えられていています。

早期発見で進行を遅らせよう!認知症セルフチェック

糖尿病患者さんは認知症になりやすいというリスクがありますが、認知症は、早めに気づいて適切な治療をすれば、進行を遅らせることが可能です。

ここでは、認知症を早期発見するためのセルフチェックリストをご紹介します。

<認知症セルフチェックリスト>

(1)同じことを何度も言う、聞く、する
(2)しまい忘れや置き忘れが増えた
(3)料理や片付け、計算、運転などのミスが増えた
(4)約束の日時や場所をよく間違える
(5)通い慣れた道でも迷うことがある
(6)些細なことでイライラしたり情緒不安定になる
(7)趣味や好きなテレビ番組に関心がなくなった
(8)親しい人との付き合いが減って外出しなくなった
(9)お風呂に入るのが嫌になったり、身だしなみに気をつかわなくなった
(10)知っているはずの物の名前や言葉がうまく出てこない
(11)新しいことを覚えられなくなった
(12)周囲の人に「人柄が変わった」と言われた

当てはまる項目があっても、すぐに認知症と診断されるわけではありません。

単なる物忘れや、薬の副作用の影響や、鬱などの症状が出ているために上記のような症状が見られることがあります。
しかし、認知症と正しく区別するためにも、思い当たる項目がいくつかあれば、専門の医療機関を受診しましょう。

認知症予防に!今注目の「デュアルタスク」とは?

増え続ける認知症対策のひとつとして、近年、「デュアルタスク」が注目されています。
デュアルタスクとは、二つの課題を同時にこなす行為を言い、「Aをしながら、Bをする」という、「ながら動作」をすることです。

例えば、「歩きながら会話をする」なども「歩く」と「会話する」という二つの行為を同時にこなしているのでデュアルタスクになります。

他にも、

  • お風呂に入りながら歌を歌う
  • 家事をしながらテレビを見る

なども、デュアルタスクになります。

国立長寿医療研究センターの研究によれば、特に運動と頭を使う行為を組み合わせることで、軽度の認知症患者さんの脳の萎縮を抑制し、記憶力の改善に期待できるのだそうです。

もともと認知症の予防には、有酸素運動も頭を使うことも効果的であるとされてきました。
有酸素運動により、脳由来神経栄養因子というたんぱく質が活性化し、脳の記憶を司る海馬の量を増やすことにつながるとされています。

一方、頭を使う脳トレなどは、注意や処理といった遂行機能を担当する前頭葉の働きを鍛えることができるため、この二つの行為を組み合わせることで、軽度の認知症に対してより効果的な予防に期待できるとされています。

組み合わせがカギ!認知症予防に期待できるトレーニングとは?

<家庭でもできるおすすめのデュアルタスク>

最後に、有酸素運動と脳トレを組み合わせた家庭でもできるデュアルタスクを幾つかご紹介しましょう。

(1)足踏みしながら、しりとり

踏み台昇降やその場で足踏みをしながら、少し複雑なしりとりを行うデュアルタスクです。
「リンゴ、ゴリラ、ラッパ、・・・」というような単純なしりとりではなく、2~3人でしりとりを行い、「リンゴ、リンゴ・ゴリラ、リンゴ・ゴリラ・ラッパ、・・・」のように、前の人が言った言葉も覚えて繰り返すしりとりが効果的です。前の言葉を思い出せなくても、足踏みを続けることが大切です。

(2)一人でもできる歩きながら(足踏みしながら)引き算

一人でもできるデュアルタスクは、歩きながら一定の数を引き算していく方法です。例えば、歩きながら100から3を引き続けます。
家の中で行う場合は足踏みしながらで構いません。慣れてきたら、3と4を交互に引くなど計算を複雑化していくと良いでしょう。

これらの運動は1日30分を目安に週3回程度行うようにしましょう。家の中でできるものも多いので、忙しくて運動する時間がとれない糖尿病患者さんでも手軽に取り入れられます。

身体を動かすことによって、認知症予防だけでなく運動療法にもつながるので、一石二鳥と言えるでしょう。

高齢者だけの病気を侮らない!日々の予防が大事

認知症は高齢者に多い病気ですが、決して高齢者だけの病気ではありません。糖尿病患者さんにおいては、とくに血糖値のコントロールがカギとなります。

普段から気になる症状があればセルフチェックをして認知症の兆候をチェックしたり、仕事や家事の合間の気分転換として、デュアルタスクを取り入れたりしてみましょう。

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