糖尿病患者さんが注意するべき「シックデイ」とは?
糖尿病治療の要注意ワード「シックデイ」とは?
シックデイとは、糖尿病患者さんが感染症にかかったり風邪をひいたりすることによる発熱・下痢などの胃腸の不調・食欲不振のために食事をとることができない体調を崩してしまった状態のことです。
通常、わたしたちの身体は、健康な人間であっても病気にかかると血糖値が上昇します。常に血糖コントロールが必要な糖尿病患者さんにとって、シックデイは血糖コントロールが乱れやすくなるため、注意が必要です。
シックデイが糖尿病にもたらす影響は?
シックデイに該当する症状としては、風邪や下痢、腹痛、発熱、骨折、食欲不振、外傷があります。
こうした症状を発症することによって、ステロイドホルモンなどのストレスホルモンが分泌され、結果としてインスリンの働きが弱まり、高血糖が生じてしまうのです。
反対に、シックデイによる食欲低下は薬物療法と組み合わさることによって、低血糖を引き起こす可能性もあります。
シックデイによって生じる影響は、これだけではありません。
シックデイによる食欲不振や、インスリンの働きが低下することによって発症リスクが高まるケトアシドーシスや、脱水症状が原因で引き起こされる高血圧高浸透圧症候群など、急性合併症を発症しやすくなる点も非常に危険です。
このように、シックデイは糖尿病患者さんにさまざまなリスクをおよぼすのです。