糖尿病セルフチェック

糖尿病を予防したい! ~「糖尿病を強く疑われる方」の実態と、その予防~

一度診断されると、一生付き合っていかなければならない糖尿病。さまざまな合併症を引き起こし、全身に影響を及ぼす怖い病気でもあります。
生活習慣の乱れなどから、誰しも発症の可能性がある糖尿病は、「自分も糖尿病かも…」「予備群かもしれない…」など、不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

ここでは、「糖尿病が強く疑われる方」、予備群と呼ばれる「糖尿病の可能性を否定できない方」などのデータとともに、予防のためにすべきことなどをご紹介していきます。


増加する「糖尿病を強く疑われる方」、治療の放置や死亡率

厚生労働省による「平成24年国民健康・栄養調査報告」より、成人男女を対象とした以下のような調査結果が公表されました。

  • 糖尿病が強く疑われる人: 約950万人
  • 糖尿病の可能性を否定できない人: 約1,100万人
  • 上記の合計:約2,050万人

これは、平成25年実施の調査結果です。
この数値だけ見ても、多いのか少ないのかピンとこないかもしれませんね。
この調査は5年に一度行われていて、平成19年以前の2回の調査結果が以下の通りです。

(平成9年)
  • 糖尿病が強く疑われる人: 約690万人
  • 糖尿病の可能性を否定できない人: 約680万人
  • 上記の合計:約1,370万人

(平成14年)
  • 糖尿病が強く疑われる人: 約740万人
  • 糖尿病の可能性を否定できない人: 約880万人
  • 上記の合計:約1,620万人

(平成19年)
  • 糖尿病が強く疑われる人: 約890万人
  • 糖尿病の可能性を否定できない人: 約1,320万人
  • 上記の合計:約2,210万人

これを見てみると、平成19年調査までにおいて、「糖尿病を強く疑われる方」「糖尿病の可能性を否定できない人」ともに増加の一途をたどっています。
平成24年度については、平成9年以降初めて減少していますが、それでも昔と比較すると多いといえるでしょう。

また、2011年7月に『健康日本21推進フォーラム』は、「健康診断後の受診率・受療率調査」結果を公表しました。
これによると、「糖尿病・要治療」と判定されたにも関わらず、受診していない、あるいは受診しても治療しない、いわゆる“放置”が26%にも達しており、特に30歳代では41%にも上ることが明らかになりました。
要治療と診断されているにも関わらず、治療を行っていない人が半数近くもいるという実情です。


さらに、厚生労働省発表の「人口動態統計の概況」によると、平成24年1年間の死亡総数のうち、糖尿病による死亡人数は14,486人。これは死亡総数の1.5%を占めます。さまざまな病気や不慮の事故など、数多くの死因がある中で、糖尿病で亡くなる人の割合は決して少ないとは言えない数値です。


増加し続ける糖尿病人口の背景と治療放置の実態

先ほど見てきたように、「糖尿病を強く疑われる人」は増加し続け、「糖尿病の可能性が否定できない人」については、減少傾向にあるものの、依然高い数値で推移しているにも関わらず、「治療しない」「受診すらしていない」方が4割にも達しています。
なぜ、このような実態となっているのでしょうか。

これには、「糖尿病である」、あるいは「糖尿病の可能性がある」と診断されても、自覚症状・初期症状に非常に乏しいために、危機感を感じにくく、積極的な受診や早期からの治療が実現されていないということが理由として挙げられます。

また、糖尿病の外来として初めて医師に診てもらった時に、約4割の方々は受診の時点で“自覚症状がなかった”という厚生労働省実施の調査結果があります。

また、健康診断などで糖尿病が疑われているにも関わらず、治療や受診もしない という現状も、自覚症状に乏しいことなどによるところが大きいと言われています。


厚生労働省では、糖尿病になりやすい体質や生活習慣のセルフチェック として、自身が糖尿病になりやすいかどうか、糖尿病になっているかどうかをチェックすることを推奨しています。
少しでも該当する点がある場合は、早めに医師の診察を受けましょう。

チェック内容については以下のサイトから確認できます。
http://www.hsc-i.jp/03_seikatsu/diabetes_risk_sheet.htm


糖尿病にならないために気を付けたいこと ~予防・対策とは?~

糖尿病は、生活習慣病とも呼ばれているように、日頃の食事や運動などの生活習慣が大きく関わっています。
そのため、糖尿病の予防・対策は、生活習慣の改善が最も重要です。
厚生労働省が推奨する生活習慣改善ポイントは3つ、「食事の改善」「運動の実施」「ストレスの軽減」です。


1.食事の改善

まず、糖尿病において食生活の改善や食事療法が最も重要になる理由は、血糖のコントロールが食事と密接な関係があること、糖尿病を強く疑われる人の半数以上が肥満傾向であるということにあります。
日々の食事において、その人に見合った摂取エネルギーを守り、栄養バランスのとれた食事を行うことで、血糖をコントロールし肥満を防ぎます。


2.日常的な運動とストレスを溜めないこと

体が慢性的にストレスを感じていると血糖値が高くなりやすく、糖尿病の発症や悪化につながると言われています。

また、日ごろの適度な運動は、血糖のコントロールや体重の減少、肥満防止に有効であるとされています。
この他、血圧の低下・血液の循環が良くなるなど、さまざまな効果があります。運動することで爽快感が得られ、ストレス解消にもつながります。
最も効果的な運動は、「酸素を十分に取り入れる中程度の強さの運動」=「有酸素運動」と言われています。
具体的には、ウォーキング(速歩・散歩)・軽いジョギング・サイクリング・水泳といった運動を15~30分程度継続して行います。


糖尿病にならないために、最も重要なのは生活習慣を改善すること

厚生労働省が推進する健康日本21では、糖尿病患者の増加を抑制して、平成34年の患者数を1,000万人までに抑えることを目標としています。
現状、糖尿病患者数は年々増加しています。
糖尿病は、放っておくと全身に悪影響を及ぼす怖い病気です。
定期的な健康診断を欠かさずに受けましょう。


また糖尿病と診断されたら、決して放置せず、医師の指導の下、治療を行うことは必須です。
その前に、糖尿病は日々の生活習慣を改め、予防することが最も重要です。
糖尿病でなくても、またその疑いすらない場合にも、食事や運動などの基本的な生活習慣には気を付けて、健康的な生活を送りましょう。


参照・参考
厚生労働省│国民健康・栄養調査結果の概要
薬事日報│【糖尿病】健診で「要治療」も放置が4割‐健康日本21推進フォーラムが調査
厚生労働省│平成24年(2012)人口動態統計(確定数)の概況
厚生労働省│受療行動調査結果の概要
茨城県立健康プラザ│糖尿病危険度予測シート 第二版
一仙堂薬局│糖尿病予防のためにできること
厚生労働省│健康日本21(第二次)の概要

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