糖尿病コラム

糖尿病は夫婦共通のリスク。一緒に健康的な生活習慣を

夫婦は共通の生活習慣を持っていることが多く、そのためにお互いの健康リスクに影響を及ぼす傾向があると考えられています。そうした事例の1つに、夫か妻のどちらかが糖尿病を発症していると、その配偶者も糖尿病を発症する可能性が高いことが、海外の研究によって示されました。

糖尿病の予防や治療を行う際は、夫婦で一緒に取り組みましょう。その大切さを理解するきっかけになるように、今回は夫婦と生活習慣のリスクに関する、3件の研究の概要をお伝えします。

夫婦は共に糖尿病を発症する可能性が高い

デンマークのオーフス大学公衆衛生学部の研究チームは、英国で行われている「英国エイジング縦断調査」を元にして、同居する女性が肥満の場合、男性の肥満や2型糖尿病のリスクにはどのような影響がみられるかを調査しました。

この調査では、英国エイジング縦断調査に登録されている50歳以上の同居している夫婦、もしくはカップル約3,500組が対象になりました。調査は1998年から2015年の期間に、平均11.5年間にわたって行われ、対象者は2.5年ごとに血液検査を受け、生活習慣に関するアンケートに答えました。

調査をはじめた時、参加者のBMIの平均は27で、糖尿病患者さんの割合は、男性では6%、女性では4%でした。しかし期間中には、男性の14.5%、女性の9.9%が糖尿病と判定されています。

これらの結果を解析したところ、同居している女性のBMIが30の男性は、同居している女性のBMIが25の男性と比べて、2型糖尿病の発症リスクが33%高いことがわかりました。また、同居している女性のBMiが5増加するにつれて、2型糖尿病の発症リスクが21%上昇することも明らかになっています。ただしこの調査では、同居している男性のBMIが増加しても、女性の2型糖尿病の発症リスクには影響しませんでした。

一方で、カナダのマックギル健康センターが2014年に発表した研究では、男性・女性ともに、配偶者が糖尿病を患っている場合は、糖尿病のリスクが上昇する可能性が高いことが示されました。

この研究では、米国、中国、英国、スウェーデンなどで行われた6件の研究をもとに、対象となった7万5,498組のカップルの糖尿病の発症と経済的な環境、社会的な環境の関連について調査しました。この結果を解析したところ、配偶者が2型糖尿病を発症している場合は、その人の発症リスクも26%上昇していました。

夫婦で健康的な生活習慣の共有を

これらの研究にも示されているように、夫婦は似たような生活習慣を持っているため、お互いの糖尿病のリスクに関わっている可能性が高いと考えられています。しかしその反面、夫婦が共に健康的な生活習慣を心がけると、より効果的に健康を改善できることも指摘されています。

その研究の一つが、2015年の米国心臓学会の学術集会で発表された、配偶者の運動習慣が及ぼす影響に関する調査です。

調査は3,261人を対象に、6年間にわたって行われました。期間中には2回、対象者が米国の運動ガイドラインの内容を守っているかどうかを調べました。その結果を分析したところ、1回目の調査で妻がガイドラインの運動習慣を行っていた場合、2回目の調査で夫が同様の運動習慣を行っている割合は、妻がガイドラインの運動を満たしていない場合に比べて70%高いことがわかりました。妻と夫を入れ替えて調べたところ、1回目の調査から夫がガイドラインの運動を行っていると、2回目で妻がガイドラインの運動を行っている割合は40%高くなっていました。

この結果から、夫婦が一緒に運動を行うと、お互いに推奨されている運動習慣を維持できる可能性が高くなることが明らかになりました。

さまざまな研究が示しているように、夫婦の生活習慣はお互いに影響を及ぼしています。つまり自分の意識の持ち方が、配偶者の糖尿病リスクに関わる可能性があるのです。夫婦一緒に健康的な生活を長く続けられるように、運動や食事に気を配り、その習慣を配偶者と共有しましょう。

参照・参考
EASD 53rd Annual Meeting 2017│80 – Spousal diabetes and obesity as risk factors of incident type 2 diabetes: analysis from the English Longitudinal Study of Ageing
EurekAlert! Science News│Studies on UK couples suggest they share the risk of obesity and type 2 diabetes
McGill University Health Centre│Diabetes: We are in it together
American Heart Association│Abstract P275: Physical Activity Among Married Couples in the Atherosclerosis Risk in Communities Study

PR注目記事

健康道場「うまくつきあう80kcalショコラ」
健康道場「緑のサラナ」

糖尿病クイズ 〜あなたはどのくらい知っている?〜

突然ですが、問題です。

日本人で糖尿病の可能性がある人はどのくらいいるでしょう?
1. 6人にひとり
2. 9人にひとり
3. 13人にひとり

新着糖尿病レシピ

さつまいものごま団子

99.9kcal

1.5g

0.05g

その他の記事

積極的なウォーキングで、心身共に健康的な生活を

ウォーキングをはじめとした有酸素運動は、糖尿病を含めた生活習慣病の治療や改善に効果的な習慣です。 さらに近年では、ウォーキングがうつ病の予防にも有効だという結果が報告されています。うつ病は糖尿病 ...

正しい認識がリスク回避につながる。心・脳血管疾患と糖尿病の関係を把握しましょう

心筋梗塞や脳卒中などの心・脳血管疾患は突然死や後遺症を招く危険な症状で、現在の日本ではがんに次いで死因の2位となっています。さらに2型糖尿病患者さんは、これらの症状による死亡リスクが特に高いことが知ら ...

高血圧は冬の重大リスク。入念な対策を

高血圧は、冬場になると値が悪くなる傾向が強く、時には命の危険を伴う深刻な事態を引き起こす場合もあります。糖尿病は、高血圧を併発しやすいため、糖尿病の治療や予防と一緒に、高血圧に備える必要があります。冬 ...

睡眠習慣を改善しよう! 血糖コントロールの改善がカギ

健康的な生活を送るためにも重要な睡眠習慣ですが、近年、日本人の睡眠時間は減少傾向にあることがわかっています。また、睡眠は糖尿病とも関係性があり、睡眠習慣を改善することが糖尿病の治療や予防にもつながると ...

緑内障が急増中!? 緑内障の予防のポイントとは

日本人の失明原因の第一位である緑内障は、加齢とともに発症リスクが高まる注意すべき症状です。日本における緑内障患者さんの数は増加傾向にあり、厚生労働省の調査によれば、2005年の約54万人だった緑内障患 ...

< 一覧へ戻る

Facebook始めました!レシピ集更新中!
ニュースレター登録
糖尿病とうまくつきあう

糖尿病レシピランキング

人気記事

糖尿病コラム

最新記事

PAGETOP