【医師監修】糖尿病による筋萎縮・筋力低下にはどんなケースがある?

ケース①痛みとともに突然生じる筋萎縮

糖尿病に関連する筋肉の萎縮と筋力低下については、ある日突然臀部・大腿部に激痛が走り、その数日~数週間後に骨盤まわりや大腿部の筋力低下と筋萎縮が始まる症状が注目されてきました。

このケースにあたる筋萎縮は糖尿病の神経障害のなかでも比較的まれな症状であると言われ、日本では糖尿病の患者さんのうち、およそ1.7%にその発症がみられるとした報告があります。50代~60代の男性にみられる傾向があり、網膜症や腎症といった合併症がまだ発症していない、糖尿病の病態があまり重篤でない段階で生じます。時には激痛をきっかけにして初めて糖尿病が発見されることもあります。

この筋萎縮は数ヵ月にわたって進行し、痛みもその間続きます。重度になると、かがんだり立ち上がる動作や歩くことが困難になり、場合によっては補助具や車いすが必要です。筋萎縮は数ヵ月から2年をかけて自然に回復していきますが、軽度から中等度の筋力の低下をはじめ、後遺症が残ることがあります。痛みに対しては抗うつ薬や抗てんかん薬による対症療法を行いますが、多くの場合は自然に軽快していきます。

ケース②神経障害の進行に伴いじわじわと進行する筋萎縮

合併症が生じていない状態で、突然の痛みに始まる筋萎縮に対し、神経障害の進行とともに筋萎縮や筋力の低下がじわじわと進むことも知られています。

神経障害を発症している患者さんの筋萎縮の例としては、くるぶしの少し前にある、短趾伸筋の筋萎縮が報告されています。筋萎縮を認めていない状態で足の指を曲げ伸ばしすると、この部分がぽっかりと盛り上がります。しかし筋萎縮が進んでいると短趾伸筋が隆起しないためふくらみが見られず、筋肉が確認しづらくなります。

短趾伸筋は患者さんにとっては普段の生活の中で意識しにくく、筋萎縮の進行が自覚されにくいものですが、医師が目で見て確認しやすく、初期に発見されやすいものでもあります。これに対し下腿の筋肉や足底の筋肉の萎縮は、軽度の段階では判断しづらいと言われています。この他、膝の伸筋・屈筋の萎縮も多く見られます。

神経障害に伴いゆっくり進む筋萎縮の治療には、血糖コントロールが重要です。痛みがある場合には、対象療法としての薬物療法が行われることもあります。

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