歯周病とは?~歯周病と糖尿病の関係~Vol.1

歯周病と糖尿病。
一見あまり関係のない病気のように思いますが、実はこの2つの病気には相互作用があり、互いに悪影響を及ぼしてしまうという深い関係があります。

ここでは3回にわたって、糖尿病患者さんがかかりやすい歯周病について見ていきたいと思います。
第1回の今回は、まず歯周病という病気について徹底解明していきましょう。

歯周病ってどんな病気?~成人の8割が歯周病?!~

歯周病は、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。
口の中には300~500億もの細菌がいると言われ、健康な状態であれば問題はないのですが、プラーク(歯垢)が増えることなどにより歯周病菌が増殖すると、それが歯茎に侵入して炎症を起こし、組織を破壊していきます。
炎症部分は赤くなったり腫れたりしますが、特に痛みなどは起こらず自覚症状のないまま進行していくため、重症化してしまうケースも多くあります。

平成23年度の厚生労働省の調べによると、歯周病にかかっている人は、なんと成人の約8割と言われています。
また歯を失う原因は、虫歯よりも歯周病がトップの原因となっています。

「サイレント・ディジーズ」である歯周病の進行過程

歯周病は別名「サイレント・ディジーズ」(静かに進行する病気)とも呼ばれ、痛みや腫れの症状すらも末期になってからしか現れません。
歯周病は進行過程によって、「歯肉炎」→「歯周炎」と呼ばれることもあります。

歯肉炎・・・歯肉が赤くなり、歯みがきをすると出血するようになります。さらに、腫れた歯肉と歯の間にプラークが溜まって悪化していきます。

歯周炎・・・歯肉が赤紫色になって退縮し、少しの刺激でも血や膿が出ます。歯周ポケット(歯と歯肉の境い目)が深くなり、歯茎が下がってきて歯根が露出されるため歯が長く見える状態になり、次第に歯がぐらぐらしてきます。酷い口臭が発生するケースも多くあります。そのままにしておくと歯が抜け落ちてしまいます。

歯周病の原因は?~歯周病は生活習慣病の一つ~

歯周病を引き起こす原因は、単に歯みがきが不十分であることや、噛みあわせの問題だけではなく、生活習慣も大きく関わっています。

○歯周病の原因、進行させる要因

  • 歯みがき不足
    (プラークが溜まり、細菌が繁殖しやすくなる)
  • かみ合わせが悪いことや不適合な義歯など
    (プラークが溜まり、細菌が繁殖しやすくなる)
  • 喫煙
    (タバコの有害物質が口の中の粘膜・歯肉から侵入し歯周病リスクを高める)
  • 疲労やストレス
    (免疫力が低下し、細菌の抵抗力が弱まる)
  • よく噛まずに食べたり、間食が多い
    (唾液が分泌されず細菌が増殖しやすくなる、プラークを作りやすくなる)
  • 糖尿病、骨粗鬆症、ホルモン異常などの全身疾患
    (互いの病気の進行に悪影響を及ぼす)

特に糖尿病では、歯周病は起こりやすい合併症の一つです。
血糖コントロールの不良が歯周病を増悪させ、また逆に歯周病が悪化するとインスリン抵抗性が上がり糖尿病も悪化してしまうということが分かっており(参考:糖尿病治療ガイドp.84)、この2つの病気には密接な関係があるのです。

また、糖尿病は代表的な生活習慣病ですが、歯周病もその原因が生活習慣にも大きく関わっているため、生活習慣病の一つと考えられています。

次回は歯周病の予防方法について詳しく見ていきます。

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