デング熱、今年も流行するかも!?糖尿病患者さんは要注意
去年の夏頃に、東京都立代々木公園で感染者が発生したことにより話題となったデング熱。昨年10月頃までに東京を中心に160名ほどの感染者が確認されました。
デング熱は蚊を媒介して感染するため、これから夏の季節に向けてバーベキューやキャンプなど、野外でのレジャーを楽しむ際には特に注意が必要です。
また、糖尿病患者さんにおいては、高血糖が続くことによって免疫力が低下しているため、あらゆる感染症にかかりやすく重症化させやすい状態にあります。そのため、感染症の一つであるデング熱にも十分に気を付けたいところです。
そもそもデング熱って?
「デング熱」とは「デングウイルス」というウイルス性の感染症です。蚊を媒介とするため、東南アジアや南アジア、中南米などの熱帯・亜熱帯地域に多い感染症ですが、最近では北米、アフリカ、オーストラリア、中国、日本など世界各地で発生しています。
ウイルスを持った蚊から人へ感染し、人から人への感染はないとされています。
<デング熱の主な症状>
- 発熱(通常、3~5日で解熱する)
- 頭痛
- 筋肉痛
- 皮膚の発疹(発熱が治まる頃に出やすい)
- 全身倦怠感
- (ごく稀に)出血 など
デング熱は風邪のような症状が出ますが、1週間程度で自然に治っていく場合が多く、比較的予後は良好な感染症です。また、感染しても発症しないことも多いようです。ごく稀に出血を伴うことがあり死に至ることもあるため、その場合は迅速な治療が必要となります。
予防は「蚊に刺されないこと」。ワクチンや特効薬はない
デング熱は、現在のところ予防に有効なワクチンや、感染後の特効薬はありません。予防するには、「蚊に刺されないこと」が大切です。
<デング熱の予防法>
- 流行しているところに出かける際は、虫よけ(蚊の忌避剤)スプレーをする
- 長袖長ズボンなどを着て、肌の露出を控える
もちろん、すべての蚊がデングウイルスを持っているわけではありません。蚊に刺されたからと言って過度に心配する必要はありません。
海外のデング熱流行地から帰国した際に検閲所で感染が疑われる場合には、詳しい検査を受けることとなります。もし国内で蚊に刺され、発熱などの症状がある場合には医療機関に診察を仰ぎましょう。
また、感染している場合は、発熱や痛みなどを抑える対症療法(病気の原因を取り除くのではなく、病気によって起きている症状を和らげたり、なくしたりする治療法)が行われます。
糖尿病患者さんは、健康な人よりも感染しやすいので注意を
糖尿病患者さんや乳児、高齢者は健康な成人と比べて免疫力や抵抗力が落ちているため、デング熱をはじめとするあらゆる感染症にかかりやすいと言えます。また、デングウイルスを持っていない蚊に刺されることでも、かゆみによって皮膚を傷つけることで細菌感染を起こしてしまう可能性もあります。
これから蚊が増えてくる季節。デング熱の流行地などに出かけるときはもちろん、日頃から蚊に刺されないように注意を払いましょう。