【医師監修】糖尿病治療に影響をおよぼす症状。糖尿病とうつ病の関係とは?

うつ病は心身に大きな影響をおよぼす

うつ病は誰もが経験するような気もちの落ちこみとは違い、脳の機能障害が起きている状態をさします。

「気持ちが沈んでいる」「食事療法をしていないのに、食欲に差が出たり、体重が変わってしまう」「眠れなかったり、途中で目が覚めてしまったり、睡眠に不調が生じる。または、眠りすぎてしまう」「集中力や思考力が低下する」「死にたいと考えてしまう。また、自分自身を傷つける手段を考えてしまう」といった状態が常に、2週間以上も続く人は、うつ病を発症しているかもしれません。

うつ病を発症しやすい理由は、完全に明らかにされていません。ですが前の章で情報を紹介した糖尿病情報センターは、糖尿病の治療や合併症の発症・進行などによる心身の苦痛が、うつ病の発症に関わっている可能性があると説明しています。

その上で、糖尿病患者さんがうつ病に注意が必要なケースとして、次のような例をあげています。

・糖尿病と診断された時
・治療法が強化された時、特にインスリン治療の開始時
・重症の合併症を発症した時
・血糖コントロールがきわめて不良または不安定な時

こうした状況にある糖尿病患者さんは、心の問題への配慮が大切だと考えられています。

うつ病は、体の働きを調整するさまざまな機能に影響を与えます。そのため、糖尿病患者さんがうつ病になると、インスリン抵抗性が上昇する可能性があります。他にも、意欲や集中力の低下によって、糖尿病の治療に関する行動が充分に行えなくなる場合もあります。こうした影響から、うつ病は糖尿病の進行を促し、合併症が進みやすくなってしまうといわれています。

糖尿病患者さんがうつ病を併発した際は「抗うつ薬による治療」や「認知行動療法などの心理的な治療」を行い、症状の改善を目指します。今は研究によって、これらの治療をそれぞれ行った場合と、両方を併用した治療の中で、どの方法がもっとも効果があるかの検討が行われています。しかし、はっきりした結果はまだ得られていません。

心を健康な状態に保つのも、糖尿病の治療にとって非常に大事な要素の1つです。うつ病を発症している疑いがある方は、主治医や信頼できる周りの人に相談して、改善をはかりましょう。

参照・参考
うつ病 | 糖尿病情報センター
うつ病|病名から知る|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省

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