【医師監修】片足立ちができない!糖尿病でバランスがとりにくくなる?

バランス障害が日常生活に及ぼす影響

糖尿病の影響によって生じるバランス障害は三半規管やバランス感覚そのものの問題ではなく、主に合併症としての神経障害を原因とするものです。

バランス障害が生じると、日常生活の中で意外に多くこなしている「バランスをとる」動作に支障をきたします。例えば片足立ちになって靴や靴下をはくことが難しくなったり、前向き・後ろ向きの歩行や階段の上り下りが不安定になります。こうした動作に支障が生じると転倒の原因にもなるため、特に高齢の方は注意が必要です。

原因①神経障害

糖尿病によるバランス障害の大きな原因は、合併症として生じる神経障害です。よく知られている神経障害の症状として、足のしびれや麻痺、足裏の感覚の鈍麻といった感覚神経の障害があげられます。こうした感覚障害が生じると足をしっかり踏みしめることが困難になり、体を安定して支えることができなくなります。

原因②下肢筋力の低下

バランス障害が生じるもうひとつの原因としてあげられるのが、筋萎縮や足の変形、および下肢筋力の低下です。これらは運動神経に生じる感覚障害として説明されることもあります。

体を根元で支える足先の筋肉が変形・萎縮すると足趾把持力が低下します。足趾把持力は手で言うところの握力に相当するものです。この力が低下すると、足の指までを使ってしっかり地面をつかむことができなくなり、片足で長い間立つことが難しくなります。

このほか膝の曲げ伸ばしに関わる伸展筋群など、下肢におけるさまざまな筋肉が体のバランスの安定に関わっています。

バランス障害の検査はどんなもの?

バランス能力をはかるテストには、特別な器具を用いず行うことができるものが多くあります。

・片足立ちテスト…両眼を開けて行う「開眼片足立ちテスト」、両眼を閉じて行う「閉眼片足立ちテスト」の2種があります。はだしで壁から50cmほど離れたところに立ち、一方の足を5cmほど上げた状態でどのくらい立っていられるかを測定します。

・椅子立ち上がりテスト…高さ40cmほどの椅子に浅く座り、10度ほどの前傾姿勢をとってスタンバイします。測定者の合図に従い、できるだけ速く立ち上がり、また座る動作を繰り返し、30秒間に何回できたかを測定します。両腕は前に組み、勢いをつけて行わないようにします。

・Time Stop & Go Test…椅子に座ってスタンバイします。測定者の合図によって立ち上がり、できるだけ速く歩行し、3m先のコーンを回ってまた椅子に戻るまでの時間を計測します。

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