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【医師監修】「糖代謝異常」は「糖尿病」の前触れ。「糖代謝異常」はこうして起こる

いまや一般的になった「メタボリックシンドローム」という言葉。その範疇に入っている「糖代謝異常」は、糖尿病と強い関連があります。
今回は、その「糖代謝異常」がどのような状態を指し、どうして起こるのかについて見てみたいと思います。

インスリンの働きが悪くなることで「糖代謝異常」が起こる

そもそも、糖尿病と強い関連がある「糖代謝」とは、どのようなものなのでしょう?

健康な身体の場合、食事などで摂取した糖(主にブドウ糖)はインスリンというホルモンによって、全身の各臓器に送られ、エネルギー源として取り込まれます。その際、余ったエネルギーは、肝臓や筋肉などに蓄えられ、エネルギー不足時に備えています。

私たちの身体は、寝ているときでさえも、24時間常にエネルギーを必要としています。食事をしていないときは、肝臓や筋肉に蓄えられたエネルギーが少しずつ血液中に放出されることで、一定の血糖値を保っています。この一連の働きが「糖代謝」です。

このように、健康な身体ではインスリンの正常な分泌によって、正常に糖代謝が行われますが、インスリン分泌不全やインスリン抵抗性などが起こることで糖代謝のバランスが崩れてしまうことがあります。この状態を「糖代謝異常」と呼びます。

「糖代謝異常」の主な原因は、インスリン分泌不全とインスリン抵抗性

前述のとおり、糖尿病と強い関連がある糖代謝においてインスリンは欠かせない存在です。

インスリンが十分な効果を発揮するには、主に2つの大きな条件があります。
1)血糖値を下げるだけの十分な量が分泌されていること
2)ブドウ糖を取り込むべき組織(主に筋肉)がきちんとブドウ糖の取り込みを行えること
1に問題がある場合は「インスリン分泌不全」、2に問題がある場合は「インスリン抵抗性」といい、どちらも「糖代謝異常」の大きな原因です。

<インスリン分泌不全とは?>

インスリン分泌不全とは、分泌元である膵臓のランゲルハンス島β細胞が機能不全となることを言います。「2型糖尿病」はインスリンの分泌量が低下することも一つの発症原因です。また「1型糖尿病」の場合は、β細胞が何らかの原因で破壊され、インスリン分泌がほとんど無くなって発症します。

<インスリン抵抗性とは?>

インスリンは分泌されると血液に乗って肝臓や筋肉などの全身の臓器に流れ、各臓器でブドウ糖を取り込むように働きかけます。臓器の細胞の表面には「インスリン受容体」という鍵穴のようなものがあり、そこにインスリンが合わさることで作用します。もし、「インスリン受容体」の感受性が悪ければ、インスリンがうまく作用できず、臓器へのブドウ糖の取り込みができません。この状態を「インスリン抵抗性」といい、インスリン抵抗性が高まると、血糖値が上がってしまうのです。

インスリン抵抗性を招く大きな要因に「肥満」があります。肥満になると、脂肪細胞も大きくなります。脂肪細胞はエネルギー貯蔵という役割もありますが、大きくなりすぎると私たちの体に影響を及ぼす「悪玉物質」と呼ばれる物質を分泌します。この脂肪細胞が出す「悪玉物質」は、インスリン抵抗性を引き起こす要因であることが分かっています。

大きくなりすぎた脂肪細胞が出す「TNF-α」や「PAI-1」が悪玉物質に当たります。インスリン受容体とインスリンが結合したときの細胞内のさまざまな反応を阻害し、糖の取り込みを悪くし、インスリン抵抗性を招くと考えられています。

そして、インスリン抵抗性があり血糖値が上がると、膵臓はどんどんインスリンを分泌し、高くなった血糖値を下げようとします。しかし、そもそもインスリンの感受性が悪い状態なので血糖値はなかなか下がりません。やがて膵臓は疲弊し、機能低下を起こすため、インスリンの分泌は減少してしまいます。

また、インスリンには脂肪細胞の脂肪分解を抑える働きもありますが、膵臓の機能低下によってインスリン不足になると脂肪の分解が進みます。これにより、悪玉物質と同様の働きをする「遊離脂肪酸」が血中に放たれ、インスリン抵抗性をさらに悪化させます。

糖尿病患者さんで肥満の場合にまず減量を勧められるのには、このような背景があるのです。

「糖代謝異常」は糖尿病の前段階

「糖代謝異常」による高血糖は、糖尿病の前段階状態であるため、注意が必要です。

「高血糖」が悪化すると「糖尿病」になりますが、2013年の科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドラインによると、次のうち1つでも当てはまる場合は「糖尿病」と診断するとされています。

① 空腹時血糖値126mg/dl以上で、糖尿病の典型的症状(口渇、多飲・多尿、体重減少)がある場合
② 75g糖負荷試験(OGTT)2時間値200mg/dl以上
③ 随時血糖値200mg/dl以上
④ HbA1c6.5%以上(国際標準値の場合)

治療は、適度な運動、バランスの良い食事が基本

もし「糖代謝異常」と診断された場合、どうすればいいのでしょうか?
まず、どの程度の糖代謝異常なのかを把握しましょう。軽い糖代謝異常であれば、適切なカロリーやバランスの取れた食事や運動によって改善することが可能です。

高血糖が進み、「糖尿病」と診断された場合でも、まずはバランスのとれた食事や適度な運動、肥満の場合は減量による治療が基本。検査データによっては投薬による治療が行われる場合もあります。
慢性的な高血糖による合併症が心配な糖尿病は、早期発見・早期治療が大切です。「糖代謝異常」と診断されたら、まずは医師のアドバイスを仰ぎましょう。

また、低血糖症の場合も食事などによって血糖値をコントロールすることが必要ですので、医師の指示を仰ぎましょう。

糖代謝異常と診断されたら、まずは医師に治療方針を相談しよう

健康な身体では、インスリンによって血糖値は正常範囲内で安定していますが、インスリン分泌不全やインスリン抵抗性などによって糖代謝異常が起こります。
肥満は大きなリスク要因で、肥満によって大きくなった脂肪細胞から出る悪玉物質や、脂肪細胞から出る遊離脂肪酸も糖代謝異常による高血糖の誘因です。
まずは、適正カロリーを守ったバランスの取れた食事と運動が基本ですが、糖代謝異常の程度を把握するためにも医師に相談することをおすすめします。

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