糖尿病コラム

糖尿病の発症リスクと連動?「空腹時血糖値」をチェックしよう!


空腹時血糖値の4つの区分とは?

空腹時血糖値の判定基準には、以下の4つの判定区分があります。

(1)正常値

糖代謝機能(食物に含まれている糖をエネルギーとして利用する働き)が正常である区分です。空腹時の血糖値が、100mg/dL未満の場合、正常値とされています。

(2)正常高値

正常ですが、糖尿病予備群に近い区分です。空腹時の血糖値が100mg/dL以上、110mg/dL未満の場合、「正常高値」と呼ばれています。

(3)境界型(予備群)

空腹時の血糖値が110mg/dL以上、126mg/dL未満の場合、「境界型」と呼ばれる区分になります。境界型の場合、直ちに糖尿病として扱われるわけではありません。糖尿病特有の合併症も、まだ起きにくいといわれています。しかし、数年以内に糖尿病になる可能性が統計的に見ても高く、「糖尿病予備群」とも呼ばれています。

(4)糖尿病型

空腹時の血糖値が126mg/dL以上の場合、「糖尿病型」という区分になります。糖尿病特有の合併症になりやすいのが、この区分です。

日本人では、空腹時血糖値100mg/dLを超えたあたりから糖尿病リスクが上昇するという研究が報告されています。

この研究は、国立研究開発法人・国立がん研究センター がん予防・検診研究センターの予防研究グループが1998年から2000年の5年間、日本の8保健所地域に住む男女2207名を対象に行った追跡調査になります。この研究によると、糖尿病の発症率は、空腹時血糖値が110mg/dLになる前から上昇したそうです。正常高値、境界型であっても決して油断せず、しっかりとコントロールする必要があるといえそうです。

リスクをさらにチェックできるHbA1cとは?

空腹時血糖値以外に、「HbA1c」もあわせて確認すると、より糖尿病発症リスクが分かりやすいとされています。

血液中には、ヘモグロビンと呼ばれる、赤血球の中のたんぱく質の一種が存在します。ヘモグロビンは酸素と結合して全身の細胞に酸素を送る働きをしていますが、血糖値が高いと、血液中のブドウ糖がヘモグロビンと結合してしまいます。この、ブドウ糖とヘモグロビンが結びついたものをHbA1cと呼びます。

HbA1cは一度できると、その赤血球が死ぬまで消滅しません。赤血球の寿命は約4カ月ですので、HbA1cの状態を知ることで、過去1~2カ月の血糖コントロールの状態を知ることができます。

HbA1cの基準値は4.6%~6.2%です。目安としては7.0%未満だといわれています。0.7%未満を達成するには、空腹時血糖値を130mg/dL未満にコントロールする必要があります。

さらに、まだ糖尿病と診断されるほどではないものの、空腹時血糖値やHbA1cの数値が高めだと、糖尿病リスクが高まる、という研究結果も報告されています。
この研究は、筑波大学教授ら研究チームによる調査で、1997年から2003年までに虎の門病院(東京)の人間ドックを受診し、糖尿病と診断されていなかった24歳から82歳の6241名を対象としています。研究では、以下の4グループに分けて比較しました。
  • 空腹時血糖値が高め(100~125mg/dL、5.6~6.9mmol/L)、かつHbA1cが高め(5.7~6.4%、国際標準値)
  • 空腹時血糖値が高め
  • HbA1cが高め
  • 双方ともに高めではない
その結果、空腹時血糖値が高めの人のうち、糖尿病を発症した人は9%、HbA1cが高めの人のうち、糖尿病を発症した人は7%でした。一方、空腹時血糖値とHbA1c双方が高めの人のうち、糖尿病を発症した人は38%と、糖尿病発症リスクは上昇傾向にありました。

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