糖尿病コラム

“尿の泡立ち”に注意。糖尿病性腎症のサインを見逃さないで!


「たんぱく尿」による尿の泡立ちに注意

糖尿病性腎症のサインのひとつが、「たんぱく尿」です。たんぱく尿は、尿の泡立ちでチェックすることができます。たんぱく尿は健康な人でも、激しい運動や、発熱、ストレスなどによって一時的に見られることがあります。

また、勢いよく排尿したり、水分を摂っていなかったり、長時間排尿せずに尿が濃い場合に尿が泡立つことがありますが、通常であれば便器の中を見ているうちに泡は消えてしまいます。

しかし、毎回、排尿すると泡立ちがあり、消えにくい場合には、尿にたんぱくが出ている可能性があります。たんぱく尿は、そうでない尿よりも表面張力が大きくなるため、なかなか泡が消えなくなるためです。


成人の1日の尿量は、約800~1500mlとされ、昼間の排尿の回数は、1日5~6回。体内の水量とナトリウムのバランスに異常が生じると、多尿や無尿・乏尿になり、脱水症状や浮腫になる場合があります。

また、尿の色は無色透明~黄褐色であれば問題がありませんが、赤色~赤褐色、暗褐色など極めて濃い場合には、血液成分が混じっているなど、腎臓の病気の可能性があります。さらに細菌感染や腎炎、尿路結石の場合、尿の濁りや強い臭いを感じることがあります。


尿の泡立ち以外にも、量、色、濁り、臭いに気を付けて、継続してチェックすると良いでしょう。


「たんぱく尿」となるメカニズム

尿は腎臓で作られます。腎臓の主な働きは、体の水分=体液の量と、体液に含まれる物質の量を、バランス良く調節することです。また、体に不要なものを血液中からろ過し、必要なものを血液中に戻す役割も担っています。

血液が腎臓に流れ込むと、まず糸球体という部分で大まかにろ過されます。赤血球、白血球などの血液成分やたんぱく質などの必要な物質は血液中に残り、老廃物や塩分などの体内に不必要な物質と水分が「原尿」となります。
この時、わずかな低分子たんぱく質は原尿に入るのですが、腎臓の機能が正常な場合には、その後、尿細管という場所で再吸収されます。

ところが、腎臓の機能に障害が起きると、たんぱく質が糸球体を通過してしまい、その後の尿細管でも処理しきれずに、尿中に排出されてしまうのです。つまり、たんぱく尿があるということは、腎臓に何らかの障害が起きている可能性があるということになります。


病的な「たんぱく尿」はどうやって判断する?

健康診断では、たんぱく尿は±、+、2+などで示されますが、健康な人でも一時的に起こることがあるため、尿中のたんぱく質の濃度を示すだけでは病的であるかはわかりません。そのため、たんぱく尿が指摘された場合には、別の日に再検査をします。引き続き尿中にたんぱくが認められると、24時間分の尿を溜め、1日に排出される尿たんぱくの量を測定し、150mg以上であれば、なんらかの病気を疑うこととなります

「たんぱく尿」の原因として考えられる病気

たんぱく尿は

1)慢性糸球体腎炎、腎硬化症のように、糸球体や尿細管など腎臓自体の障害
2)糖尿病など腎臓以外の病気が原因で腎臓に障害が起きて、たんぱく尿が出現する
3)遺伝性疾患

などの原因が考えられます。

最近では、原因に関わらず、すべての腎障害を慢性腎臓病(CKD)と捉えるようになりました。
また、CKDは、腎臓の機能低下だけでなく、糖尿病を含めメタボリックシンドロームや高血圧などの生活習慣病のある人では、心血管病の発症リスクを高めることがわかっています。


糖尿病性腎症は糖尿病の三大合併症のひとつ

糖尿病患者数の増加に伴って、糖尿病性腎症は透析原因の第1位となっています。血糖コントロールが不良で高血糖な状態が続くと、腎臓の糸球体の毛細血管が傷み、糸球体構造が破壊されて機能障害が起こります。

糖尿病性腎症は長い期間かけて徐々に進行し、自覚症状がないため、発見が遅れると腎障害が進行し、尿をつくることができなくなることもあります。


腎障害のごく初期では、尿検査で尿たんぱくが陰性でも、糸球体の毛細血管の障害に伴って、アルブミンなどの低分子たんぱく質が、わずかずつ尿中に排出されていることがあります(微量アルブミン尿)。実は、この微量アルブミン尿は、たんぱく尿の前段階であり、これが確認された時には、腎臓に障害が起き始めていると考えられます。


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