【医師監修】手術後に高血糖が発生!周術期の高血糖管理

周術期の血糖コントロール

手術当日とその前後の時期を合わせて、特に「周術期」と呼びます。
そもそも血糖値が高い患者さんの場合には術前に血糖コントロールが必要となりますが(基準は諸説あり、日本糖尿病学会では空腹時血糖値が100~140mg/dL未満、食後2時間血糖値が160~200 mg/dL未満を目安としています)、外科的糖尿病が発生する術後を含め、周術期を通した細やかな血糖コントロールが重要視されています。

<引用>
糖尿病患者に対する歯周治療ガイドライン 改訂第2版 2014

この点、以前には血糖値を80~110 mg/dLにおさえる強化インスリン療法が行われていました。しかし2009年に発表されたNICE-SUGAR TRIALという論文において、周術期の血糖値を180mg/dl以下におさえたグループと81~108mg/dlにおさえた強化療法のグループでは、強化療法グループの方が90日死亡率が高くなるとの研究結果が示されたのです。

<引用>
Intensive versus Conventional Glucose Control in Critically Ill Patients | NEJM
日本臨床麻酔学会 vol.31

また、2008年に発表されたACCORD STUDYでは、HbA1cの値を6.0%まで低下させることを目指した強化療法のグループと、7.0~7.9%を目標としたスタンダードグループの比較から、やはり強化療法のグループの死亡率が高いとの結果が導かれています。

<引用>
Effects of intensive glucose lowering in type 2 diabetes. – PubMed – NCBI
日本臨床麻酔学会 vol.32

こうした研究結果から、血糖値を劇的に低くコントロールすることはかえってリスクを高めるものと推測されつつあります。日本集中医学会では「重症患者の栄養ガイドライン」において、血糖値が180mg/dlを超えた場合にインスリンの投与を行うことを目安とし、80~110 mg/dLにおさえるインスリン強化療法は行わないことを推奨しています。

<引用>
日本版重症患者の栄養療法ガイドライン

またHbA1c値について日本糖尿病学会による糖尿病治療ガイド2018-2019では、血糖正常化を目指す場合の目標値:6.0%未満、合併症予防のための目標値:7.0%未満、治療強化が困難な際の目標値:8.0%未満とカテゴリー別の目標値を設定しています。ただし具体的な目標値は、患者さんの年齢や罹病期間、臓器障害、低血糖の危険性、サポート体制などを踏まえて個別に考慮すべきであるとされます。

<引用>
糖尿病治療ガイド2018-2019(抜粋):日本糖尿病学会 The Japan Diabetes Society

参照・参考
周術期口腔ケア推進の取り組み | 横浜市立大学附属病院
麻酔科マニュアル | 研修医募集 - 日本医科大学 千葉北総病院麻酔科
日本老年医学会雑誌第54巻第3号
外科的糖尿病(surgical diabetes)

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