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糖尿病治療の最新動向!データから見る新たな合併症の罹患リスク

1889年、ドイツで膵臓を摘出した犬がもれなく糖尿病に罹るということがわかり、膵臓と糖尿病との関係が指摘されて以来、人においても治療に関する研究が世界各地で行われるようになり、現在でも研究が続いています。

ここでは、糖尿病の治療法や合併症に関する最新のデータをまとめてご紹介します。

糖尿病患者さんの癌リスクは最大約2倍

2013年5月、日本糖尿病学会と日本癌学会が合同で調査研究している「糖尿病と癌に関する委員会」は、第56回日本糖尿病学会年次学術集会において、日本人の33万人のデータを解析した結果から、糖尿病患者さんは癌の発症リスクが約1.2倍(男性1.19倍、女性1.19倍)に上昇することを報告しました。

この報告によると、特に膵臓癌は1.85倍、肝臓癌は1.97倍、大腸癌は1.40倍とリスクが高く、一方、これまで糖尿病との関係があると考えられていた乳癌は0.95倍、前立腺癌は0.96倍で、統計学においては糖尿病との関連は見られないという見解が示されています。

また、これまで糖尿病の発症や病状の進行に関与する要因として、加齢、肥満、不適切な食習慣、運動不足などが挙げられていましたが、今回の報告により糖尿病の危険因子とされてきたこれらの要因は癌の危険因子にもなりうるということがわかりました。

そこで、日本糖尿病学会、日本癌学会ともに、バランスの良い食事、運動、体重のコントロール、禁煙、節酒が糖尿病と癌の両方の疾患のリスク減少につながるとしており、さらには基本的な項目を検査する健康診断や人間ドックとは別に癌検診を定期的に受けることも重要であると提唱しています。

糖尿病患者さんは認知症になりやすい

糖尿病で血糖がうまくコントロールできていない場合、三大合併症(網膜症、糖尿病腎症、神経障害)や脳卒中、心筋梗塞などを引き起こすことはよく知られていますが、最近これに加えて、認知症の発症リスクについても注目されています。

ワシントン大学公衆衛生大学院のポール・クレーン准教授らが発表し、医学雑誌「ニューイングランド ジャーナル オブ メディスン」に掲載された研究によると、血糖値が高めの人は認知症になりやすいと報告されています。
たとえば、平均血糖値が190 mg/dlの人は160mg/dlの人に比べ認知症の発症率が40%も高いという結果でした。
190 mg/dlとまではいかなくても平均血糖値が正常な人に比べて高めの人でも、認知症の発症率が18%高いことがわかり、クレーン准教授は、「糖尿病でなくとも血糖値が増えるごとに認知症のリスクが高まる」と述べています。

つまり、糖尿病患者さんだけでなく、糖尿病予備群の方も認知症の注意が必要ということになります。

ただし、現段階では血糖値の上昇を抑えれば認知症を予防できるという明確な研究結果があるわけではないため、引き続き今後の研究課題とされています。

また、国立長寿医療センターの櫻井孝氏による報告では、「糖尿病と認知症は影響し合って互いに病気を悪化させる」と述べられています。
認知症には、中核症状(記憶障害や判断力の障害など)と周辺症状(過食、睡眠障害、幻覚、徘徊など)がありますが、認知症の周辺症状のうちの「過食」や「睡眠障害」が糖尿病を悪化させる要因となることがあります。

認知症の睡眠障害では、一例として夜の不眠によって昼寝が増え、昼寝時間が長くなることで食事をしたことを忘れてしまい、また食事を摂って過食となり、血糖コントロールが大きく乱れてしまうケースがあります。

このように、認知症と糖尿病の合併は互いに悪循環をもたらします。
糖尿病患者さんはもちろん、一般的に糖尿病予備群される血糖値が高めの方も、認知症予防も兼ねて、普段の生活習慣を見直し、定期的に健診を受けるようにしましょう。

血糖コントロールがさまざまな合併症リスクを低減する

いかがでしたか。

糖尿病の合併症というと神経障害、網膜症、糖尿病腎症の3つがよく知られていますが、それ以外にも癌や認知症などのリスクを高めることもあるということを、最新の研究をご紹介しながら解説しました。

昔は糖尿病といえば何も治療を施せない病でしたが、今はそうではありません。
治療薬や治療法の研究開発は現在も世界各地で行われています。また、最近では糖尿病の原因遺伝子に関する研究も急速に進歩しています。

しかしそうはいっても、糖尿病は放置していると病状は進行して行くばかりです。
糖尿病の合併症を防ぐためにも、まずは、食事、運動などの生活習慣の見直しによる血糖コントロールが重要です。

先に見てきたとおり、このことは糖尿病だけでなく、普段の健康維持や癌、認知症の予防にもつながってくるので、普段から意識して生活習慣の改善を図っていきましょう。

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